2011年3月26日土曜日

義を見てせざるは勇無きなり

若かりし頃、マレーシアで暮らした時期があった。
夜明けとともにコーランが流れ、午後の祈りの時間で足を止める国民に、その国に根付く宗教を強く感じた。
「あなたの国にはどのような宗教教育がありますか?」
よくきかれた質問だ。

2年ほど前から、海外留学生の受け入れを始めた。
ヨーロッパや東南アジアの若い人たちと自宅で話をするのは、とても楽しかった。
留学生にはクリスチャンが多かった。
「あなたの宗教はなんですか?」
やはりきかれた。


さて、あの大震災から2週間が経過した。
その傷跡は深く、日本を悲しみの底に突き落とした。
被災者は今も不自由な避難生活を余儀なくされており、他の都市部でも原発の恐怖や計画停電などの困難に立ち向かっている。

そんな中、先日ヨットの仲間が「義を見てせざるは勇無きなり」の意を説き、部員に部としての対応を呼びかけていた。新渡戸稲造の「武士道」を読んだ時に、初めて知った孔子の「論語」である。

話を戻すが、外国の方に宗教をきかれる度に、私は武士道のようなものを説明した。
(つたない英語では通じないのだが・・・)
大災害の後にも秩序を保って行動する日本国民は、他国から賞賛を受けたという。
「義を見てせざるは勇無きなり」とか、「卑怯であってはならぬ」など子供の時から、違う言葉ではあても、根本的にたたき込まれてきたことだ。
日本は無宗教といわれるが、誠にそうであろう。
しかし、しっかりとした道徳教育を授かってきたのである。
そのことに祖先や先人に感謝する。

ところで、私が被災者受け入れのNPOに登録して1週間が経過した。
震災後、コンビニで義援金を寄付しても、テレビを見ると涙が止まらない。
東京での生活が戻りつつあっても、被災地の復興は、その道のりが長かろう。
そんなとき、たまたま新聞で見つけた「被災者ホームステイ募集」
http://www.earthdaymoney.org/
NPOアースデイマネーでは、現在マッチングを実施してくれている。
私は狭いマンションの一室だが、今日も掃除をして被災者の方が来るのを待っている。
わずかな人数だが、どうか一日でも早く、あたたかい部屋でリラックスしてもらいたいと思う。
「義を見てせざるは勇無きなり」


話は変わる。
ロッテの仕事は早い。
世界の人達にも見てほしい。
災害時に有効な「災害伝言ダイヤル」
http://www.ntt-east.co.jp/saigai/voice171/index.html
日本人は、こうやって子供達に伝えていたのだ!


すごいぞ!ロッテ!「コアラのマーチ」

2 件のコメント:

どんきち さんのコメント...

ドンキチです。

そう、見て見ぬふりを
する事はいけない。

こうした時に「卑怯であってはいけない」
と鬨を上げて、
立ち向かう事が出来るのは
言葉が過ぎるかも
知れませんが、それが日本人の
美徳だと。

ロッテの創始者は韓国の方。

こうした迅速な行動を見せられると
今の日本人のトップが戸惑っている時に
何とも矛盾を感じます。

貴公の愛読する本からの一節。
これも論語から、影響を受けたであろう
作者の迸る言葉が載っています。
千代ヶ岡台場を守った中島三郎助
の言葉です。

「仁の道を見失うた者はすでに
人間と呼ぶべきではなかろう。
かろうじて人間の形をしておっても
、屑には違いない」と。

仕事関係の周辺を見ると
こういう時に震災関連で「儲けよう」
と言う発言を真顔でする輩が多々います。
(それが経済活動なのでしょうが)

でも正直、屑だと思う。


僕は稚拙ながらも人間で居たいから。
屑に近いけれども、些細ながらも、
何が出来る訳でもないですが
出来る事から始め様と思って居ます。

蛇足ですが、僕の名前は「仁」です。

論語から亡き父が付けてくれましたが
完璧に名前負けです(笑)

赤イルカ さんのコメント...

ドンキチ親分
遅ればせながら、コメントありがとうございますた。フィルターにひっかかり、読ませていただくのが遅くなった次第です。
中島三郎助の言葉について、初めて知りました。「仁」は良い字ですね。最近はドラマでも有名になりましたね。仁先生です。あのドラマの仁も人を助けます。ドンキチ親分といっしょ。綾瀬はるかが演じる美女と恋仲になりますが、ドンキチ親分も・・・。