2011年12月8日木曜日

強風下を走り、激流を登る。その3

さて、カスリーン公園で先人達の偉業を再認識したのち、再び強風下の利根川CRを走る。
すでに12時を回っていたので、走り始めてから既に6時間近くが経っていた。
そしてついに到着したのが、この場所だった。
案内していただいた吉田松陰先生ことKさんに感謝だ。
そこには「坂東太郎」こと利根川が、満々と水を湛えながら悠々と流れていた。
風はさらに強く感じた。

さて、本日の目的を果たそう。鮭の遡上を観察するのだ。もちろん初めてのことだ。しかし、この強風で荒れている水流の中、ホントに鮭が登れるのだろうか? 

さっそく下に降りてみると、観察のためにガラスを通してのぞける窓があった。

なかなか鮭は現れない。そしてここで待つこと20分。 ついに鮭の尻尾を目撃!鮭は本当に登ってきた。 一瞬なので、残念ながら写真には撮れなかったが、彼らは果敢に流れを遡っていた。
自分のこれまでのヘタレを省みた。
先日の富士山では、激坂の連続に弱音を吐き、この日の利根川CRでは風速10mは超える激風に悲鳴を上げて来た。 会社や世間では、周りの言うことに流され、決して抗うことない自分。

死を覚悟して登る鮭。
鮭は上流まで遡上しなくとも、臨海で産卵してもいいじゃないかと思う。しかし、彼らは命をかけて登る。これは次の命を繋ぐため、子孫を守るために、彼らしかわからない理由があり、必須の行為なのだと思う。全ての生物は次の命が脅かされる時、自らを省みずその妨げを取り除こうとするのだ。その行為こそが、鮭が遠く海から離れ、川を遡上することなのだろう。

つづく




2011年12月6日火曜日

強風下を走り、激流を登る。その2

強風の利根川CRをひた走る。
膝の痛みは改善されないが、時々ダンシングすることで、屈伸運動のような効果を得ながら、少し復活しては進む。
埼玉県加須市に入って、途中で道の駅「童謡のふる里おおとね」等を先生に紹介してもらった。「いがまんじゅう」は有名で、とても大きな饅頭が販売されていた。
http://www.smdc.or.jp/gochisou/tobu/kazo.html#02 より



そして次に吉田松陰先生が教えてくれたのが、「カスリーン公園」だ。先生が「カスリーン台風って知っていますか?」ときかれて、先日NHKのブラタモリで見た番組の内容を思い出した。終戦直後に日本列島を直撃した大型台風で、GHQ統治下だったため、キャサリンの名前がついたと番組で得た知識を思い出した。そこには、その記念碑が建てられていた。
ここで初めて知ったことがある。この写真を見たときには衝撃を受けた。葛飾区亀有は、私の住んでいる地区の隣町だが、そこにもカスリーン台風による被害により、洪水が発生したのだった。

しかし、亀有だけでなく、利根川、荒川がことごとく決壊し、タイの洪水災害のように大きな被害がだし、死者は1千人を超えていた。
そして、日本の先人たちは、災害に立ち向かうために、堤防を築きあげたのだった。一大プロジェクトである。川の流れを変え、蒸気機関車が土を運び、それを人々が積み上げた。

写真を見ると、女性も働いている。私たちは偉大な先人が積み上げた堤防の上にできたサイクリングロードを走らせてもらっているのだ。私たちが気持ちよくサイクリングできるのは、戦後の昭和を支え、災害と戦った人々のお陰なのである。

そのサイクリングロードを走っている自分。もう風が強いと、文句をいうのはやめよう。利根川は悠々と流れ、西には富士山が見えている。ありがたいじゃないか。

つづく

2011年12月5日月曜日

強風下を走り、激流を登る。その1

今日は、サイクリスト仲間から吉田松陰先生と呼ばれる、上級サイクリストのKさんのご案内で利根大堰まで行ってきた。
江戸川CRを進んで、まず関宿に到着。
しかし、この日は風が強かった。風速15m/sはあろうかという強風だった。
利根川CRを北に針路をとれば、左から正面にかけて、風を受け、行く手を阻まれた。
サイコンに目をやると、15km/hの速度を指している。
CRならば25~30km/hで走りたいところなのに、思うように自転車がスピードにのらない。
まるで、かるい坂道を登り続けている感覚だ。
ここでかなり脚を使ってしまった。徐々に右足の膝に違和感を感じてくる。

コンビニで休憩をとった際に、そのことを先生に相談した。
「軽いギアを選んで、ケイデンスを上げた方がいいです。」
先生のバイクを見ると、チェーンケースをみるとインナーにセットされていた。
師いわく、「私はいつもインナーです。」と。
インナーを使うのは、激坂を登るときだけだと思っていたので、‘目から鱗’の思いだった。
出発して試してみる。インナーにチェーンを落し、スプロケも軽いセッティングだ。
これで先生についていこうと頑張ると、ケイデンスは100以上回さないとダメだった。
しかし確かに筋肉への負担は確かに軽い。

風は11時を過ぎても、おさまる気配もない。
無事往復できるか、不安を感じ始めながら、ペダルを回し続けた。

つづく